実施業務

  • これまでの経験や蓄積をベースに、ヒューマンエラー安全マネジメント現場力などに関する以下の業務を実施しています。
    1. 講演(安全大会など・研修 これまでの講演・講義の実績)
    2. 原稿執筆 執筆した書籍一覧
    3. コンサルティングご相談意見交換
  • 現場ですぐに役立つ「エラー対策&仕事の工夫・コツ」豆知識を今後も継続的に発信していきます。内容等に関してご要望等があればお知らせください。
  • もし、ご相談・ご要望・お問い合わせ等があれば、こちらからお願いします。

以下に、上記の講演(安全大会など)・研修および執筆のテーマ例を記します(関連するコンサルティングも可能)。

0.講演(安全大会など)・研修および執筆が可能なテーマの記載方法

  • 講演・研修および執筆が可能なテーマの例を以下の3分野に分けて記載しています。
    1.  ヒューマンエラーとその対策の理解
    2.  安全マネジメントおよび安全教育・訓練の理解
    3.  現場力を高める!-安全・品質・サービス・創造性の向上に向け
  • いただいたリクエストに応じて、上記3分野の横断テーマも含め、内容は柔軟に調整可能です。
  • 聴講者や読者に応じてお話しするアプローチ等の変更も可能です(現場の第一線作業者、現場のリーダー・管理者、経営者や本社・支社の企画部門の社員方など)
  • 上記内容に関するコンサルティングも可能です。

1. ヒューマンエラーとその対策の理解

1.1 ヒューマンエラーを理解し、安全・品質を高めよう!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
「人間はミスをする生き物」と言われるように、ヒューマンエラーは誰にでも起こります。一方、「その原因は?」と訊かれると、その内容はとても表面的になりがちです。「不注意だったから」などがその典型です。したがって対策も「注意を徹底する」など、抽象的な内容になりがちで、実効性に課題が残ります。しかし実はヒューマンエラーには、いくつかの種類があり、その種類に応じて有効な対策も異なります。
本講演では、ヒューマンエラーの対策の実効性を高めるために、エラーの代表的なタイプとその原因、およびそれを踏まえた効果的な対策について説明します。また、社員が習得できる「エラーを未然に防止するためのスキル」についても考えます(一方、皆さんがお困りのヒューマンエラーに絞って、原因と対策をお話しすることも可能です)。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. ヒューマンエラーの原因をどう考えていますか?
    • どんなエラーも同じ原因と考えていませんか(例:不注意)
    • もしそうだと、対策もワンパターンの「注意の徹底」になってしまう!
  2. ヒューマンエラーにはいくつかのタイプがあり、有効な対策も異なる!
    • 慣れによる無意識的な行動によるエラー(その原因と有効な対策)
    • 錯覚・思い込みによるエラー(その原因と有効な対策)
    • 失念によるエラー(その原因と有効な対策)
    • 意図的な不安全行動・違反行動(その原因と有効な対策)
  3. エラーの未然防止のためには、リスクを察知して、ひと手間掛けることが有効!
    • エラー防止スキルを身に着けよう!

1.2 コミュニケーションエラーをどう防ぐ?-原因と対策のポイント

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
多くの仕事はコミュニケーションで成り立っています。一方、人は生来、日々のコミュニケーションをスムーズに行うための仕組みをいくつも持っています(曖昧な言葉であっても意思疎通できる、言葉が抜けていても補って理解できるなど)。しかしその柔軟性ゆえに、時にコミュニケーションエラーが発生し、安全・品質・サービス・業務効率等に大きな影響を与えることがあります。
 本講演では、まず、多くの事例を用いながら、(1)人間のコミュニケーションの特徴や強み、(2)その裏返しとしてのコミュニケーションエラーのメカニズムや原因についてご説明します。そのうえで、(3)エラーをどう防げばよいかについて話し手・聞き手の両面からお話します(具体的な防止対策や確認会話の工夫・コツなど)。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. コミュニケーションエラーにより発生した大事故(事例)
  2. コミュニケーションエラーは、なぜ起こるか?
    • なぜ1:「紛らわしい言葉」や「あいまいな言い方」が、エラーを誘発する!
    • なぜ2:「これまでの知識・経験」がエラーを誘発する!-トップダウンプロセス
    • なぜ3:「期待や願望」がエラーを誘発する!-ウィッシュフル・ヒアリング
    • なぜ4:「繰り返し」による省略がエラーを誘発する!-人間は“無駄”が大嫌い
  3. コミュニケーションエラーをどう防ぐ?
    •  基本1:「エラーがなぜ起きるか」を理解しておく
    •  基本2:言葉・言い回しを決めておく + しっかり復唱して確認する
    •  ポイント1:危ない場面を意識し、そういった場面では一工夫する!
    •  ポイント2:相手の立場になって会話する-「確認会話」の基本です!
    •  ポイント3:「しっかり伝え、しっかり聴くスキル」を日々の仕事を通して磨く!

1.3 ベテランのエラーをどう防ぐか?-新人のエラーとここが違う!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
新人のエラーは理解しやすいですが、ではなぜベテランがエラーするのでしょうか。その原因をしっかり理解することが、ヒューマンエラーを理解するための大切なポイントになります。「間違った理解」に基づき、間違った対策を立てている人・組織がとても多いからです。
 本講演では、まず「ベテランの強み(経験の蓄積等)」について考えます。次に、ベテランのその強みが稀にヒューマンエラーを誘発する「仕組み(メカニズム)」をしっかり理解します。それを踏まえて、最後は対策について考えます。特に、ベテランがエラーを起こしやすい要注意な状況を「いつもとの違い」をキーワードに説明し、エラーを未然に防ぐための対策を「作業者本人の立場」と「管理者の立場」から深掘りします。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 知識も技量も経験もあるベテランがなぜエラーするのか?
    • やる気がない? 意識が低い?-どちらも間違いであるケースが多い!
  2. ベテランの強みが稀にエラーを誘発する-どういうこと?
    • 「知識も技量も経験もある」とはその作業に「慣れている」こと-その強みと弱みを知ろう!
    •  行動経済学が教える人間の2つの行動様式:システム1とシステム2
    •  ベテランがエラーするメカニズムを事例とともにしっかり理解しよう!
  3. 3.では「ベテランのエラー」にどういった対策を立てるべきか?
    •  「ルールの徹底」だけを説いても効果に限界 …
    •  「いつもとの違い」が要注意!-ベテランの強みが弱みに変わる典型的状況!
    •  要注意な状況を察知できれば、エラーを未然に防げる!(本人も管理者も)

1.4 異常時エラーをどう防ぐ?-訓練の重要性をあらためてしっかり理解しよう!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
プロは異常時にこそ力を発揮することが求められます。しかし、そうでない方も多いかと思います。異常時には不安・恐れなどの強い感情が発生し、それが人間の情報処理能力を低下させるからです。
 本講演では、人間の異常時における情報処理の特徴、異常時に要注意な2つのエラータイプ(「あわて・混乱型」と「ためらい・迷い型」)の特徴を事例に基づき説明します。その上で、エラーの防止対策を考え、特に、両タイプとも「事前の訓練」が本質的に重要なことを体系的に説明します。最後に、東日本大震災でわかった異常時エラーの第3のタイプおよびその防止のための臨機応変な対応力について説明し、このエラータイプもやはり訓練が重要なことを述べて締めくくります。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 皆さん、異常時対応は得意ですか?
    • 注意すべき異常時エラーは2タイプ!-事例で確認します
  2. タイプ1:「あわて・混乱型」エラー
    • あわてているため、やることを間違える・思い出せない・何もできない …
  3. タイプ2:「ためらい・迷い型」エラー
    • やることは分かっていても、やり慣れていないため、あるいは空振りを恐れて躊躇する
  4. 両方のタイプに共通する重要な対策は訓練!-その重要性を真に理解しよう!
    • 「頭で理解する」だけの限界-マニュアルを読むだけで自転車に乗れますか?
    • 「体で理解する」ことの重要性-そうでないと肝心な時に体が動かない!
  5. 異常時エラー第3のタイプ(東日本大震災の教訓!)
    • 多様な状況に対して、臨機応変に対応できる力も大切!

1.5 不安全行動や違反行動はなぜ発生し、どう防ぐか?

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
不安全行動や違反行動(以下、不安全行動等という)は、典型的なヒューマンエラーとは誘発要因も有効な対策も異なります。この行動は、危ない(あるいは違反)とわかっていたが、意図的に実行した点がヒューマンエラーと異なります。したがって、不安全行動等の対策を考える当たっては、そう行動した動機(なぜ意図的にそうしたか)に注目する必要があります。
 本講演では、不安全行動等の基本的な発生メカニズムを説明したうえで、その動機の違いから、「外圧型」と「手抜き型」という2つの不安全行動等のタイプについて説明します。その上で、両タイプの違いと共通性を意識しながら、不安全行動等の「対策の基本アプローチ」と「有効な具体的対策」について事例を用いながら説明します。
 また、不安全行動等を誘発する興味深い人間特性として、社会的手抜き(ダブルチェックの限界)、同調行動(他の社員が不安全行動をやることの影響)、割れ窓理論(不安全行動の放置が不安全行動をエスカレートさせる)について述べます。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 不安全行動・違反行動のメカニズム
    • 不安全行動・違反行動のメカニズムと要注意な2つのタイプ-外圧型と手抜き型
    • タイプによる誘発要因の違いを理解しよう!
  2. 不安全行動・違反行動の対策
    • 対策の基本アプローチ-動機面と認識面の両面から変える必要
    • 不安全行動・違反行動の対策とヒューマンエラー対策とはアプローチが違うことに注意!
  3. 不安全行動・違反行動を誘発する興味深い人間特性
    •  社会的手抜き、同調行動、割れ窓理論
  4. 不安全行動・違反行動の対策のまとめ

1.6 パニックと正常性バイアス-異常時の人間心理を知り、発生に備える!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
「突然、火の手が上がったため、人々はパニックになって出口に殺到!」-人々のパニックを示す表現として、わかりやすい例だと思います。一方、海外の例ですが、「地下鉄の車内にじわじわ煙が流れ込んでいるのに、誰も逃げなかった」という報告もあります。人が持つ「正常性バイアス」の例といえます。
 本講演では、異常時の人間の心理特性として、一見、逆にみえる「パニック」と「正常性バイアス」について、火災や津波の避難誘導、あるいは作業者の異常時対応などを例に考えます。具体的には、両者の発生メカニズムとそれぞれが発生しやすい条件について、両者の違いに着目しながら双方の問題点を説明します。その上で、「パニック」と「正常性バイアス」について、その回避のための方策を「事前対策」と「発生してしまった場合の対策」に分けてまとめます。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. パニック
    • パニックとは何か-事例でみるパニック(火災、地震、… )
    • パニックは簡単には起こらない?-パニックが起こる条件
    • パニックの対策としては何が大切か(事前対策と起こった時の対策)
  2. 正常性バイアス
    • 正常性バイアスとは?-人間には異常時に異常と感じにくいバイアスがある!
    • 事例でみる正常性バイアス-津波警報による避難、火災時の煙
    • 正常性バイアスへの対処方法-「オオカミ少年効果」を防ぎ同調行動をうまく利用する!
  3. 3.パニックと正常性バイアス、結局どうすればよい?
    •  命の危機を感じなければ、正常性バイアスが働きがち
    •  パニックについては、まずは発生させない対策が重要

1.7 ヒューマンエラーの発生原因を進化論的に考えてみよう!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
コンピュータはいつもプログラム通りに計算し、基本的にエラーしません(最近の生成AIは少し違いますが)。一方、人間は、エラーをゼロにするのが困難です。この背景には、限られた能力しか持たない人間(コンピュータの演算能力には全く及ばない)がこの複雑な地球環境を生き抜くために磨いてきた様々な仕組みの影響があります。つまり、磨いてきた武器が稀にヒューマンエラーを引き起こしてしまうということです。
 本講演では、人間の情報処理をコンピュータ・AIと比較しながら、ヒューマンエラーがなぜ発生するかについて“進化論的”に考えてみます。最後に、それらを踏まえ、私たちがヒューマンエラーとどう付き合うべきかについて考察します。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 人間は作業をどう行っているか?
    • 行動経済学が教える人間の2つの行動様式(システム1とシステム2)
    • システム1:速く、努力不要で、自動的・直感的!(日常の作業の大部分はこちら)
    • システム2:遅く、処理に努力が必要で、意識的、論理的(応用問題はこちら)
  2. システム1とは?
    •  人はシステム1のお陰で楽に99点の答えが得られる!
    •  システム1は人類がこの地球環境で生き抜くために磨いてきた武器
  3. システム1という武器が稀にヒューマンエラーを誘発する
    • 速くて楽だが、間違うことがある!(99点問題-残りの1点 … )
  4. 「速くて楽だが、間違うことがある」の例
    •  錯視のメカニズム、認知バイアス、自動行動
  5. ヒューマンエラーとどう付き合うか、どう対策するか
    •  ヒューマンエラーが起こりやすい要注意場面を知ろう!
    •  システム2の有効活用:リスクを察知して、ひと手間掛けよう!

2. 安全マネジメントおよび安全教育・訓練の理解

2.1 安全マネジメントにおいて「管理者が陥りやすい15の誤り」とは?

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
 安全をトッププライオリティにしている企業は多いですが、安全マネジメントに関しては、うっかりすると間違えてしまいやすい事柄がいくつもあります。
 この講演では、
  (1) 事故やインシデントが発生した際の安全マネジメント
  (2) 平常時の安全マネジメント
  (3) 安全と社員の役割
 の3つの側面に分けて、「管理者が陥りやすい誤り」とそれを防ぐための「管理者の基本動作」を15に分けて説明します。これらに留意しながらマネジメントを行うことにより、事故の未然防止が可能な安全マネジメントに変革していくことが可能です。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 安全マネジメントとは?
    • 安全マネジメントの具体的な業務とは?
    • 安全マネジメントにおいて「管理者が陥りやすい誤り」-大事な3つの側面から考える
  2. (側面1)事故やインシデントが発生した際の安全マネジメント
    •  問題:3つ、陥りやすい誤りと必要な基本動作:8つ(誤りの例:分析と対策が結果に引っ張られて、潜在リスクが考慮されない)
  3. (側面2)平常時の安全マネジメント
    •  問題:3つ、陥りやすい誤りと必要な基本動作:5つ(誤りの例:ルールを徹底すればそれで作業はうまくいくし、事故が起こっていないので職場は安全だ)
  4. (側面3)安全と社員の役割
    • 問題:2つ、陥りやすい誤りと必要な基本動作:2つ(誤りの例:安全施策は管理側が企画し、社員にはそれを徹底することがポイントだ)
  5. 「管理者が陥りやすい15の誤り」と「組織の安全文化」との関係

2.2 事故の調査、しっかりできていますか?-聴き取り調査と原因分析のポイント

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
本講演では、ヒューマンエラーの調査・分析を中心に、事故の調査・分析のポイントを解説します。具体的にはまず、「ヒューマンエラーの原因の捉え方」に関するバイアス(原因は本人にあると考え、エラーを引き起こしたもの・環境・管理の問題に気づかない)について説明します。その上で、ヒューマンエラーや事故の原因を多面的に分析し、対策を具体的に策定していくための方法論について述べます。次に、上記分析を的確に行うための前提になる「事故の聴き取り調査」について、その方法論や実施上のコツを5つの側面に分けて解説します(曖昧な記憶からの正しい情報の収集方法など)。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 事故分析(ヒューマンエラー分析)のポイント・留意点
    • ヒューマンエラーの原因は、本人の意識が低いから? たるんでいるから? それだけ?
    • 調査者がヒューマンエラーの分析時に最も起こしやすいヒューマンエラーは何か?
  2.  ヒューマンエラーの分析手法の例(4M4E分析)
    • ヒューマンエラーの原因は人だけではない!(もの・環境・管理の問題に着目する必要)
    • 「なぜなぜ分析」で原因を掘り下げ、「だからどうする分析」で対策を具体化!
  3.  事故調査の際の「聴き取りのコツ」
    • 「聴き取りスキルを構成する5つの要素」とは?
    • 各要素の具体的な聴き取りスキルと留意点を理解しよう!
  4.  適切な調査・分析結果からは、多くのことが学べる!
    • 調査分析結果の社員への有効なフィードバック方法とは?

2.3 組織文化が事故を誘発する-どんな安全文化を作るべきか?

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
ヒューマンエラーが関与した事故については、どうしてもエラーした本人の問題がクローズアップされがちです。しかし、組織(会社や職場)の安全に対する姿勢が第一線社員の行動に大きな影響与え、事故を誘発しているケースも多くあります(組織事故という)。たとえば、組織が安全よりも作業効率や計画遂行を重視していると、誰が作業者であろうと無理な作業が行われ、事故が誘発されるのです。
 本講義ではこういった安全に関わる組織文化(安全文化という)の問題を取り上げ、高い安全文化を構築していくための方法論を「安全文化の成熟度」という考え方を通して体系的に説明します。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  組織文化が事故の発生にどう影響するか
    • スペースシャトル・チャレンジャー事故とチェルノブイリ事故
  2.  自分の組織の「安全文化の成熟度」を自己診断してみよう!
    • 安全文化の成熟度-その診断のための4つの切り口
  3.  切り口1:企業価値の中での安全の位置づけ
    • 安全はトッププライオリティ:口で言うのは簡単だが、実際にできているか?
  4.  切り口2:ヒューマンエラーの捉え方
    • ヒューマンエラーは社員の不注意で発生するのか? 管理の問題はないのか?
  5.  切り口3:「後追いの安全」か「先取りの安全」か
    • 「事故が発生していない=安全」と考えていないか?
  6.  切り口4:社員と安全の係わりをどう考えているか
    • 安全施策の策定に社員をしっかり巻き込みでいるか?
  7.  より高い安全文化の構築を目指して

2.4 「ルール化とその徹底」だけで十分か?-Safety-IIで安全と現場力を高めよう!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
 安全マネジメントの典型的な方法論は、「ルール化とその徹底」です。これは事故が起こった際の対策として即効性があり、また重要なアプローチです。しかし、それ一本鎗では、安全性の維持・向上に限界があると考えられます。
 本講演では、E. Hollnagelの提唱するSafety-I/Safety-II(安全マネジメントの方法論)を用いて、「ルール化とその徹底(Safety-Iの典型的方法)」の限界を克服する方法論について考えます。具体的には、もう一方のSafety-IIをヒントに、作業者が日々の作業(失敗や成功)から「うまくいくための工夫・コツ」を見つけ、それを職場の中で共有していくことがポイントです。それを通して受動的なルール順守だけの意識から脱皮し、予防的にリスクを見つけ対処していく姿勢を育てます。それが現場力の向上や予防的安全マネジメントにつながるはずです。なお、安全マネジメントではSafety-IとSafety-IIの両方が重要なため、最後に、両者のウェイト付けを「作業と人の違い」をキーワードに提示します。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  安全マネジメントの2つの方法論-Safety-IとSafety-II
    • Safety-I:事故の原因を分析して、その事故が起こらない対策を立てる
    • Safety-II:成功の原因を分析して、成功をより確実にする力を高める
  2.  これまでの安全マネジメントの王道はSafety-I
    • Safety-Iの代表的アプローチは「ルール化とその徹底」
  3.  「ルール化とその徹底」は大事だが、それだけでは限界がある!
    • すべての作業や起こりうる状況に対してルール化していけるのか?
  4.  Safety-Iの限界をSafety-IIをヒントに克服する!
    • キーワード:うまくいくための工夫・コツ(リスクを察知し、ひと手間掛ける)
  5.  Safety-I/IIを両輪にした今後の安全マネジメント
    • 両方が大事。ただしSafety-IとSafety-IIのウェイトは、作業と人により異なる!

2.5 チームで守る安全-心理的安全性とアサーションの重要性

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
 チームで作業しているとき、誰かが間違ったことやおかしなことをしていると思ったとき、あなたはそれをしっかり声に出すことができますか。声を出すことにより事故が防げるのなら、それはプロとして当然、必要な行為です(たとえ相手が先輩・上司・他会社の人であったとしても)。
 本講演では、それができない・やりにくい場合の原因を明確にしたうえで、それを克服していくための方法を「個人」と「チーム(組織)」の両面から考えます。大事な概念は「アサーション」と「心理的安全性」です。前者はコミュニケーションの方法で、簡潔に言えば「必要なことを過度に遠慮せずしっかり伝えられること」です。一方、心理的安全性は「みんなが気兼ねなく意見を述べることができるチーム状態」のことです。これらを高めることで、「チームの安全力」が高められますし、意見が活発に交わされることで「チームの創造性」も高められるとされています。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. チームで守る安全
    • 航空機事故から考える
    • 医療事故から考える
    • どんなに優秀な人でもつまらないミスをするときがある-その時のメンバーの対応は?
  2.  危険なのにメンバーが声を出せない2つの原因
    • 相手がおかしいことをやっていることに気づけない
    • 相手がおかしいことをやっているのに気づいたが、声を出さない・出せない
  3.  アサーションの重要性
    • ためらわずに声に出せない“とても人間的”な理由-事故の回避よりも人間関係を重視?
    • ではどうすればよい?(自分、相手、チーム、組織)
  4.  心理的安全性の重要性
    • チームにおける心理的安全性とは? 事故や安全との関係は?
    • どうやってチームの心理的安全性を高めていくか

2.6 事故の未然防止をどう実現するか?-ハインリッヒの法則と安全意識逓減の法則

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
 「事故が起こってから(つまり何か被害が出てから)安全対策に本気で取り組んだ」ということはありませんか。しかし本来の安全マネジメントは、事故の後始末ではなく、事故の未然防止が目的です。安全マネジメントはプロアクティブ(先取り)である必要があるのです。
 本講演では、安全マネジメントが後追いになりがちな理由を「無事故=安全」と思っていること、つまり「リスクへの関心がうすいこと」をキーワードに考えます。皆さんご承知の「ハインリッヒの法則」にも「予防安全」に関する含意があります。それについても説明します(1:29:300を暗記しているだけでは役に立ちません!)。最後に、予防安全の推進に向け、事故が起こる前に会社や職場の変調を察知するための25の指標についてお話しします。皆様の職場に当てはまるかどうかぜひ考えてみてください!

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  リアクティブ(後追い)な安全マネジメント
    • 事故が起こってから対策を打っても遅い!
    • では、なぜ事故が起こるまで対策が打てないのか?
    • 問題は「事故が起こっていない=安全」と考えていること?
  2.  プロアクティブ(先取り)な安全マネジメント
    • 安全マネジメントの目的は事故の未然防止-後始末をしているだけではだめ!
    • リスクにもっと敏感になろう! そしてリスク情報を未然防止に役立てよう!
  3.  ハインリッヒの法則の意味とは?
    • 1:29:300を暗記しているだけでは無意味!
    • 「ハインリッヒの法則」は、予防安全が可能なことを意味している!
  4.  事故の予兆を察知するための安全マネジメント
    • 「安全確保に関わる25要素」を意識しよう!

2.7 現場の安全力向上に生成AIを活用してみよう!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
生成AIの技術の進歩は目覚ましく、ビジネスへの活用も徐々に進んでいます。この新しい武器を企業や職場の安全性向上に活用しない手はありません。一方、生成AI(特にChatGPT等の大規模言語モデル)には自社情報が組み込まれていないケースも多いはずなので、現状では、個々の現場に密着した安全業務への活用には大きな制約があるのも事実です。
 本講演では、今ある生成AI(一般情報は豊富!)を使って安全業務をレベルアップする方法、あるいは安全担当者の学習を高める方法について考えます。特に、生成AIとの壁打ち(生成AIを相手に議論すること)を通して、自分の発想を広げ、アイデア・考え方を発展させていく方法を考えます。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1. 生成AI(ChatGPT等のLLM)の活用上の留意点
    • 自社情報が生成AIに組み込まれていない企業が多い(自社の安全情報の活用に限界)
    • 生成AIが間違った回答を出す可能性に留意する必要
  2.  そういった条件下での生成AIの有効な活用方法には何があるか?
    • 生成AIを「壁打ち相手」として有効に活用しよう!
    • アイデア創出、視点の漏れの補完、考えの偏りの補正、素案作成など、いろいろ使える!
  3.  生成AIをこんなふうに安全業務に活用できるのでは?
    • 教育訓練法に関する知見収集:有効な座学教育・シミュレータ訓練・VR活用訓練など
    • 社員の安全活動支援:ファシリテーション方法、インタビュー方法、議論活性化方法など
    • 安全に関する知識の収集:フェールセーフ、スイスチーズモデル、事故分析法など

3. 現場力を高める!-さらなる安全・品質・サービス・創造性の向上を目指して

3.1 「私はわかっている!」本当ですか? - 「わかる」と「学ぶ」を考える

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
「わかる」は、すべての仕事の起点になる事柄です。一方、私たちは簡単に「わかった」と言いますが、その深さには様々なレベルがあります。単に「言っていることが日本語としてわかった」というレベルから「目標の重要さについて腹落ちし、困難があってもやりきれる」レベルまで、その差は仕事の結果に大きな影響を与えます。
 本講演では、「深く理解するためのコツ」(「運動」を通して、「攻めること」を通してなど)や「正しく判断するためのコツ」(物事を多面的に考えるなど)について、事例を通して理解します。さらにそれをベースに、「経験学習」の概念について学び、「仕事の経験とその振り返り」を通して、日々成長していくための方法論を理解します。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  どんな仕事でも「(自分や相手が)わかること」がスタート
    • 同じ「わかった!」でも、その理解レベルは人によりバラバラ
    • 「深く理解する」ためには「コツ」が必要で、それらを自由に使いこなせる必要がある
  2.  コツ1:「頭だけの理解」では不十分-「運動」を通してはじめてわかる!
    • 本を読んだだけで、自転車に乗れますか?
  3.  コツ2:「丸暗記」では不十分-自分で攻めながら「わかっていく」ことが重要!
    • 単に覚えるのではなく、自分で問いを立てながら考えること(つまり、攻めること)が重要
  4.  コツ3:1つの視点だけでは不十分-「多様な視点」から考えてはじめて正しく判断できる!
    • 相手の視点、上司の視点、部下の視点、他部署の視点、お客さまの視点、…
    • 現在の視点、過去の視点(過去の経緯や背景)、未来の視点(将来変化、将来見通し)
    • ズームアップ(細部を見る)、ズームアウト(全体を見る、鳥瞰)
  5.  日々の仕事のリフレクション(振り返り)を通して継続的に成長しよう!
    • 経験学習とリフレクション(振り返り)の意味
    • ビジネスパーソンは仕事を通して学ぶ!(学校の勉強との違い)

3.2 言っただけでは伝わらない-では、どう伝え、どう教える?

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
「コミュニケーションを通して相手にわかってもらう」-仕事ではこのプロセスが本質的に重要です。相手に動いてもらってはじめて達成できる仕事が大部分だからです。したがって、相手にしっかり伝えられる(さらには教えられる)能力がとても重要になります。
 本講演では、「伝える・教える」際に見落としがちなポイントを5点理解します(相手の「わかったつもり」や「わかったふり」の打破など)。この点の理解が不足していると、相手の理解が表面的になり、その行動も形式的で言われたからやっている程度のものになっていまいがちです。ぜひこの5点の重要性を理解し、日々の仕事を通してその能力を磨いていきましょう(5点の内容は下欄を参照)。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  「伝える・教える」は「相手がわかること・学ぶこと」が目的
    • 「相手の立場」になって行わないと、肝心の相手が変わらない! では、どうする?
  2.  相手の「理解の深さ」は十分か(認識の問題)
    • 相手の「わかったつもり(=実はわかっていない)」に気を付けよう! では、どうする?
  3.  相手の「腹落ち感」は十分か(気持ちの問題)
    • 相手の「わかったふり」を打破しよう! では、どうする?
  4.  相手に「なぜ」までわかってもらってはじめて深い理解に至る
    • しかし人はなぜにそれほど興味がない? では、どうする?
  5.  深く考えてもらうためには、相手の意欲が必要
    • 相手の意欲を引き出すためには、相手の分析が必要! では、どうする?

3.3 企画会議”を効果的に行おう!-ファシリテーションの基本を習得!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
皆さんも仕事中、「この会議、何のためにやっているの」とか「なんか議論が形式的で、結論がよくわからない会議だった」と思うことがあると思います。生産的な会議(議論)、納得感の高い会議(議論)にするためには、いくつものポイントがあります。
 本講演では、典型的なダメ会議(議論)の例を確認したうえで、それらを打破するためのポイントを「会議前の準備」と「会議中の工夫・コツ」に分けて示していきます。具体的に、前者については「会議の目標設定の重要性」等について、後者については、(1)会議参加者の参画意識を高め、(2)議論の内容を深め、(3)結論に対する参加者の納得感を高めるための様々な「ファシリテーションスキル」について、具体例を用いながら説明していきます。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  1.  ダメな会議(議論)とはどんな会議(議論)?
    • 事例でみる“ダメ会議(議論)”
  2.  会議前から準備と工夫が要る!-目標設定と出発点の意識
    • 事前に「会議の目標設定(目的と目標)」をしっかり行っているか?
    • その上で「会議(議論)をどこから始めるか」考えたか?-参加者の意識と理解をそろえる
  3.  会議中:ファシリテーションスキルを駆使しよう!
    • 意見が出ない時にはどうするか?
    • 問題に対して対策をいきなり議論しない-まずは原因分析と共通認識を!
    • 議論中に駆使すべき大事なスキルとは?-質問するスキル
    • 議論中に駆使すべき大事なスキル(2)-しっかり聴き、場を観て、応えるスキル
    • 会議の結論を出す際は、合意形成(腹落ち)をしっかりと!
  4.  ダメ会議(議論)を脱するポイントのまとめ

3.4 「モチベーション(やる気)」を科学する!

■講演(記事)を通して「理解できる事柄」「得られる価値」
どんな立場の人でも、仕事をする際のモチベーション(やる気)はとても大切です。仕事の質や成果への影響、本人の充実感や成長への影響、人生のキャリアデザインへの影響など、仕事の成果や人・組織に大きな影響を与えます。一方、モチベーションは、そのメカニズムや種類、あるいは影響要因などを考えると、簡単に理解できる現象ではありません。
 本講演では、やる気のメカニズム、種類、影響要因などについて、目標設定の効果、人が生来的に持つ成長欲求の内容、自律性とモチベーションとの関係、関係欲求(協同で作業する際のポイント)、ほめる意味とほめ方などについて解説することを通して、職場や組織のモチベーションに関する問題の改善を目指します。

■お話しする内容(リクエストにより調整可能です)

  •  やる気とは?-やる気がないとどうなるか?
  •  やる気の強さは、「ゴールの価値」と「達成可能性」で決まる?
  •  「目標設定」とやる気との関係は?
  •  目標には2種類ある-あなたはどっちが強い? 他者からの評価? 自分の成長?
  •  人は「成長」を求める!
  •  「自律性」への欲求-人は自分で行動を起こそうとする!
  •  皆で協同することのモチベーション!
  •  モチベーション-「ほめる」について考える
  •  北風と太陽-モチベーションを高める環境とは?
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